受容と寛容のまなざし

(7月のお便りを一部編集して掲載しています)

日頃からご理解ご協力いただきありがとうございます。

5月には保育参加にご協力いただき、ありがとうございました。初めての取り組みとなりましたが、無事に終えることができました。また、6月は面談期間におきましてもご協力いただきありがとうございます。

1学期の保育参加に関しましては、アンケートも実施させていただき、多くのお声をいただきまして心から感謝申し上げます。温かいお声をたくさんいただき、子どもたちの姿や日常の様子を保護者の皆様にもより深く感じ取っていただけたのではないかと思います。

  • アンケートで特に多かったのが“安心感”のお声でした

・「普段見ることのできない友達同士の遊びの様子がわかり、安心した」

・「先生方が一人ひとりに寄り添ってくださっている様子が伝わった」

・「朝の会での子どもの表情が生き生きしていてうれしかった」

多くの方から「子どもが楽しそう」「園での過ごし方が見えて安心できた」という声をいただきました。お子様の日々の成長を皆様と共有できたこと、職員一同も大変嬉しく思っています。今後も、お子様の日々の成長を見守り、支え合う環境を作っていきたいと考えています。

〜受容と寛容のまなざし〜

子どもたちは、日々たくさんのことを感じ、挑戦しながら成長していることを、保護者の皆様も感じられていることかと思いますが、そんな姿を見守るとき、幼稚園として大切にしているのが「受容」と「寛容」のまなざしです。

「受容」とは、子どもをあるがままに受けとめること。できる・できないで判断するのではなく、「あなたはそのままで大丈夫」と、存在そのものをまるごと認めることです。

児童精神科医・佐々木正美先生は、「人生のできるだけ早い時期に、全面的に受容される経験こそが、その後の自立を支える土台になる」と語っています。

たとえば、泣いて登園する朝。泣くことにも、その子なりの理由や気持ちがあります。「早く泣き止ませる」ことを目標にするのではなく、まず「泣いてもいいよ」と受けとめることが、その子の安心と信頼につながります。

そして「寛容」とは、その子のペースを尊重し、待つこと。うまくできない姿、ちょっと遠回りな行動にも、「きっと意味がある」「この子はこうやって育っていく」と信じて関わる姿勢です。失敗しても責めず、時間がかかっても見守ること。それが、子どもにとっての“心の安全基地”となり、自分自身を信じる力へとつながります。

私たち保育者も、日々子どもたちと向き合いながら、この「受容」と「寛容」を胸に保育をしています。子育てをしているとなかなか難しいですが、ご家庭でも、「この子の今を、まるごと受けとめてみようかな」と思える瞬間を大切にしていきたいですね。

副園長 木元健太郎