新年のご挨拶

「子どもの最善の利益のため」

2024年の年頭にあたり、新年のご挨拶を申し上げます。

1月1日に令和6年能登半島地震が発生しました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。翌1月2日には羽田空港航空機衝突事故が起きました。連日の災害となりましたが、旅客機の乗員・乗客全員が脱出できたことは、客室乗務員の方々の日々の備えと訓練の積み重ねによるものだと言われています。幸ヶ谷幼稚園の避難訓練は、主に地震や火事を想定し年間7回ほど行っています。今後の避難訓練もより一層気を引き締めて取り組んでいきたいと思いました。

2023年を振り返ってみると、日常の保育や運動会や遊戯会などを経て、仲間意識が芽生えてきた2学期となりました。3学期も子どもたちが集中して遊び込む姿や、クラスの仲間とともに遊ぶ姿を楽しみにしています。様々な経験をする子どもたちを見守り、教育的な援助をしていきたいです。また、2学期末保護者アンケートにご協力いただきありがとうございました。激励の言葉や様々なご意見を頂戴しましたので、職員で共有しながら3学期以降の保育に活かしていきたいと思います。

年末に教職員の園内研修で「幼児教育に求められているもの」について改めて話をしましたので内容を簡潔にして一部掲載します。

― 危機的な状況にある日本、何が見直されようとしているかというと教育です。今求められているのは、「子どもの主体性の尊重」や「子どもの最善の利益」を第一に考える教育だと言われていて、これまでの日本は「大人が上で、子どもが下」と捉えられて教育が展開されてきたため、これまでとは大きく異なっています。大人の価値観を押し付けるのでは、子ども一人ひとりの気持ちは尊重できません。

一方で、「子どもの主体性」を全て尊重することが出来ない場面もあり、「大人の主体性」も重要になる場面もあります。その最たるものが避難訓練で、子どもがやりたくないからやらなくいいものではなく大人主導で全員が参加すべきものです。他にも命の危険があることなどに関しても同様です。

状況に応じて、適切に導いていくことが大人の役目であり、幼稚園では子どもと先生が生活や遊び、活動の中でそれぞれの想いを抱き、話し合い、葛藤する気持ちに折り合いをつけたりしながら成長していきます。 

と伝えました。保育に限らず、家庭でもよく起こるのが子どもの「やりたい・やりたくない」という想いと、大人の「やってほしい・やってほしくない」という想いのぶつかり合いです。正解を大人が無理やり出すのではなく、子どもにとってどうか、子どもの最善の利益のためにはどうすべきかを常に考えていくことが今の教育に求められていることであると教職員間で共有しました。

文字にすると簡単ですが、実際に子どもたちと対した時には難しいと思います。その難しさを乗り越えるためにも、保育・教育についてみんなで学んでいく2024年にしたいです。それでは本年もどうぞよろしくお願いします。

副園長 木元 健太郎(こうがやだより1月号より)